アンカーコップと呼ばれる小型のガラスのコップです。再生ガラスで出来ているので、うっすらと色味があり、ガラスの中には気泡なども見られます。そして、少しゆらゆらして見えるので、やわらかい印象で温かみがあります。
もともとは、第二次世界大戦時における金属が不足していた時代に、缶詰の代用品として普及したガラスの容器です。これにフタを付けて、様々な食品などの販売に使用されていたようです。
このコップの裏側には、山羊のマークが入っています。これはレトログラスのアデリアなどでお馴染みの石塚硝子株式会社によるものです。戦前のものであると思われます。
下の写真は、東洋ガラスの前身である、島田硝子製造所で作られたもので、底には「SGF」と記載があります。東洋ガラスは、後に佐々木硝子と統合し、東洋佐々木硝子㈱になっています。また「CAN」や「SGK」と入っているものも、島田硝子製造所で作られたもののようです。
当時も、現在のモロゾフのプリンカップのように、家庭ではコップとして、再利用されていたそうです。
私のコップは大阪の四天王寺の骨董市(大師会)にてひとつ500円で購入し、普段は麦茶を飲んだり日常使いをしています。とても丈夫で、かれこれ10年以上の活躍です。でもこのサイズ感が様になるのは、何と言ってもビールでしょう🍺
それも瓶ビール。
昭和のお父さんみたいで、ままごと遊びをしているようで楽しいです。
器によって食べ物や飲み物の味は変わると思います。同じ食事でも、屋外で食べるととても美味しかったり、気の置けない人と食事をすると、美味しさ以上の満足感を得られたりと、食事を囲む環境によって、直接的な味覚以上の幸福感が上乗せされるのだと思います。
毎日はできなくても、たまにはちょっとした工夫をしてみると、食事がより楽しい時間になりますよね。
コメント