コレは令和5年に、奈良県の谷瀬の吊り橋に遊びに行った時に、すぐ脇にある昔ながらの土産物店で見つけたものです。
アンティーク雑貨店などではなく、普通のお土産物屋さんに、現行品の子供向けのおもちゃとして売られていたことに、ちょっと感動しました。価格はひとつ350円。
中身はこんな感じです。プラスチック製のチープな感じの船で、劣化も進んで、亀裂が入っていたりするのですが、もはやそんなことなどどうでもよく、ましてやそこにクレームをつけるような野暮なことをするはずもなく、躊躇なく2つ買いました。
そしていいですよねー。この箱!かっこ良すぎ。少し焼けて茶色くなった箱の絵の細部まで鑑賞しながら、いつからあの店で売られてたんやろか、などと考えるのがとても楽しいです。
メーカーは、トープレ(東京プレイシング商会)という企業ですが、現存しておりません。でもトープレのブリキ玩具は、今でもアンティーク玩具の愛好家には、とても人気があります。
トープレブリキには、船や車、飛行機などの乗り物のゼンマイ仕掛けのおもちゃが多く、他にも鉄腕アトムなどのキャラクターものも作られていました。
戦後の1950年代頃には、アメリカなどへの輸出用として、多くのトープレブリキが作られましたが、今では里帰りしたおもちゃが、オークションなどを通じて、国内で流通しています。
ちなみにこちらが、谷瀬の吊り橋です。奈良県の十津川村にあり、近くにはキャンプ場などもあって、関西では人気の観光スポットです。長さ297メートル高さ54メートルもあり、歩くたびにゆらゆらと揺れるのでなかなかスリルと迫力があり、家族連れでも楽しめます。
今では観光名所にもなっていますが、もとは生活用の吊り橋です。古くより地域の人々は、川に丸木橋を架けて行き来していたそうですが、洪水のたびに流されてしまうので、昭和29年に1戸当たり20~30万円という、当時としては、かなりの大金を出し合って、村の協力を得つつ、つり橋を完成させたそうです。
そんな歴史を思いながら、橋に揺られてみると、よりこの橋の凄さを感じます。まだ行かれたことのない方は、是非訪ねてみて下さい。
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